最上義光歴史館/館長の写真日記 令和6年5月22日付け

最上義光歴史館
館長の写真日記 令和6年5月22日付け

最上義光公フレーム切手

 最近、地元の郵便局が「最上義光公フレーム切手」というのを企画し、84円切手10枚のシートを1,330円で限定500シートを販売したところ、市内関係郵便局では早々に売れ切れ、全国でのネット販売分も1ゕ月もたたずに売れ切れ売れたようで、当館取り扱い分もわずかとなりました。当館分は全て買い取り制で、100枚のうち8枚以上売れ残れば赤字になるため、当初は慎重姿勢ではあったのですが、赤字にならずに済みそうです。
 さて、博物館にとってこうした物販収入は、近年ますます重要になっているのですが、売れ残りなども考慮すると、そうそう好き放題にできるものでもありません。当館の場合、基本的には受託販売が主で、直売品は研究資料や図録程度です。
 山形県内のミュージアムショップで最大なのは、水族館を別にすれば、上杉博物館でしょうか。歴史博物館としてのグッズはあらかた網羅しており、米沢織物などもあります。伊達グッズを扱う仙台市博物館のショップもまた品揃え豊富で、お土産を買われる団体客で賑やかです。それらに比べるまでもない当館は、ささやかな展示ケースに物販品を並べるのみです。
 さて、こうしたグッズとしては、絵葉書や栞、ボールペンやキーホルダーなどが定番でしたが、最近はあまり多くをみかけません。今はクリアフォルダや一筆箋、マグネットなどが定番商品となっており、最近ではマスキングテープやアクリルスタンド、そしてカプセルトイいわゆるガチャなどが人気のようです。当館もガチャが設置できるほど収蔵品があればいいのですが、まあ、缶バッチ程度であれば種類をかせぐことができるかもしれません。特に「家紋」の缶バッチは手堅いです。最上義光の兜のオリジナルピンバッチなども、特に外国の方に人気です。
 戦国時代を扱う博物館のキラーアイテムには「刀グッズ」というのがあり、当館でもキーホルダーの刀などを置いています。以前、刀型の「ようかん和菓子ナイフ」というものを見つけたのですが、予算の都合で見送らざるをえませんでした。かわりに最近、物販担当者が仕入れたのは、伸び縮みする全長70cmのプスチック製の刀「漆黒刀」というものです。その名のとおり刃も柄も全て黒いので、柄にひし形で赤色を着色すれば、あの鬼を倒す刀剣のようになるらしいです。密かに売れています。
 さらに戦国時代を扱う博物館としては、「花押グッズ」というのも有力です。バッチやキーホルダー、スタンプ、一筆箋などの一連の商品展開ができそうです。あくまでも「例えば」なのですが、伊達政宗公の花押は鳥の形のようなことから「セキレイ」と呼ばれ人気がありますし、上杉謙信公の花押もかなりのインパクトがあります。最上義光の花押は、歴代の足利家との区別が難しい、いわゆる足利様式という極めてオーソドックスなもので特徴に乏しいのですが、印判はなかなかに面白いデザインで、現在、来館記念スタンプのデザインに用いています。
 こうしたグッズで個人的に好きなのはスノードームです。ガラスの玉の中に建物などの模型が入っていて、雪のような粉がちらちら舞うあれです。正しくはスノーグローブといい1889年パリ万博で登場したエッフェル塔のもので人気が広まったとのこと。そう言えば昔、東京タワーのスノードームが土産品によくありました。昨今は、水族館とクリスマスの時期ぐらいしかお目にかかれません。それでも、このスノードームには熱狂的なコレクターがいて、また、自作する方もいるようです。「最上義光の騎馬像」とか「最上義光歴史館」などのスノードームが欲しいところです。そうそう、山形城址内にある山形市郷土館「旧済生館本館」なら、スノードームがピッタリかもしれません。
 以前、雪の降る旧済生館本館を描いた絵が切手になったことがあります。こちらはあたりまえの記念切手で、「1982年近代洋風建築シリーズ第4集」として発売されたものです。ちなみに「旧済生館本館」は、あの漫☆画太郎先生の仕事場となって描かれてもいます(「漫故☆知新」第一話表紙)。是非、当館も先生の仕事場のひとつに加え描いていただけたらと。湾曲した建物、和洋折衷の石庭、モデルが同一人物の二体の裸婦像、どうでしょう。当館の学芸員も、何気に先生の愛読者です。


近代洋風建築シリーズ「旧済生館本館」

(→裏館長日記へ続く)
2024/05/22 13:30 (C) 最上義光歴史館
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