最上義光歴史館/館長裏日誌 令和6年5月22日付け

最上義光歴史館
館長裏日誌 令和6年5月22日付け
◇絵葉書の話
 基本的なミュージアムグッズに絵葉書があります。そのまま壁に貼って飾るのもよし、絵葉書スタンドがミュージアムグッズとして人気があった時代もありました。旅先から投函するのもオススメです。特に海外などの遠い旅先からは、いただくほうもありがたい。私は、絵葉書を自宅あてに出すこともあり、その土地の消印が記念にも、記録にもなります。
 絵葉書の楽しみ方をもうひとつ。「絵葉書の旅」というのがあります。あの「水曜どうでしょう」の企画ですが、観光地等の絵葉書から適当に選び、現地に行って同じ構図で撮影してくるというものです。絵葉書が古かったりすると、街並みや樹木の様子が変わっていて大変だったりします。
 酒田市にある土門拳写真美術館では、かなりレトロな絵葉書セットが販売されていますが、例えば「室生寺」セットを携え現地に入り、同じアングルをさがし、土門拳になりきって撮る、といった楽しみ方ができるかと。
 もっとも当館の学芸員によると、以前、当館でも絵葉書を作成したものの、思うようには売れず、それがトラウマになって現在は発売していないとのことでした。

◇ミュージアム菓子の話
 そのミュージアムの人気度がわかるという商品があります。それは施設オリジナルの食品や菓子、例えばクッキーやらチョコレートなどで、それなりの来館者がないと置けません。当館のようにいつ完売するかわからないような施設では、期限付きの品物は扱えないのです。
 特に饅頭などは日持ち的に難しいかと思います。饅頭と言えば、国立科学博物館では以前、「毒」特別展でオリジナル「毒まんじゅう」を売っていました。福井県立恐竜博物館のオリジナル商品では、なんと羽二重餅の2色詰合が売られています。
 ユニークなものでは、長谷川町子美術館の「マチコさんドライパパイア」。これは彼女の好物を商品化したそうです。興味をひかれるのがINAXライブミュージアムの「トイレの最中」。洋便器の形をしたもなか皮に別添の餡をつめて食べるというものですが、餡を絞る時に「トグロを巻かないように」と「正しいお召し上がり方」にあります。蛇足ですが、「最中」は「もなか」と読みます。「さいちゅう」と読んでしまうと、ちょっとリアルになってしまいます。

◇世界のミュージアムグッズの話
 東京国立博物館のショップは、外国へのお土産はここで探すといいと言われていました。以前は本館の地下にあって、品揃えなども面白かったような気がします。逆に、海外のミュージアムグッズも、日本へのいいお土産となります。
 世界三大ミュージアムグッズというのを勝手に決めていいのなら、大英博物館の「ロゼッタストーン」のペーパーウェイト、メトロポリタン美術館の「ウイリアム」という青いカバのフィギュア、そして東京国立博物館の埴輪「踊る人々」グッズとかでしょうか。特に売上ベスト3ということではないのですが、強いて言うならいずれも作者不詳の収蔵品です。
 売上的にも知名度的にも多分、「モナリザ」グッズあたりがトップかとは思いますが、それではなんとなく面白くないわけで、それならいっそモナリザの絵葉書に髭を描いたデュシャンの「L.H.O.O.Q.」(エラショオキュ「彼女はお尻が熱い」)を現地(ポンピドゥーセンター)から投函してもらうほうがお土産としてはうれしいです。
 デュシャンと言えば、究極のミュージアムグッズ(?)があります。それは自身の作品のミニュチュアをトランクに収めたもので、「トランクの箱」という美術作品ではあるのですが、署名入りの20部限定豪華版と、番号なしの300部未満の普通版が作られ、そのうちのいくつかは日本の美術館にも収蔵されています。あのレディメイドの小便器「泉」やガラス製アンプルの中に空気が入れた「パリの空気50奸廚離潺縫絅船絅△修靴董嵌狃の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」(大ガラス)のレプリカや「階段を降りる裸体No.2」などの絵画作品の写真などが詰め込まれています。
 思わず熱く語ってしまいましたが、ミュージアムグッズとしては「サモトラケのニケ像」のミニチュアとかダリの「柔らかい時計」とか「真珠の耳飾りの女」の耳飾りとか「モネの睡蓮」柄のスカーフとか北斎の「神奈川沖浪裏」とか「風神雷神図屏風」グッズとか色々あるのではありますが、まあ、収蔵品に関係なく売られていたりします。
 当館に隣接している山形美術館では現在、とてもすばらしい現代美術の企画展「高橋龍太郎コレクション」が開催されているのですが、その出品作家の方がその場で1枚なんと300円で絵を描いてくれるというイベントがあり、これなども究極のミュージアムグッズではないかと思います。

◇世界のミュージアムショップの話
 ミュージアムョップで特に有名なのは、やはりルーブル美術館の地下にある年中無休のショッピングモールでしょう。美術館グッズ以外にも各種土産物やフードコートなどもあります。また、オランダのスキポール空港にはオランダ国立美術館のショップ分館があり、あのヒエロニムス・ボスの絵にでてくる怪物のミニュチュア模型などがその空港分館に多数展示販売されています。
 台北の故宮博物院の売店も充実していて、特にあの「翠玉白菜」が様々な形で商品展開がなされているのですが(耳かきとかもあります)、もっと驚くのが同敷地内にあるレストラン「故宮晶華」。その国宝宴コース料理では「翠玉白菜」が白菜のスープ煮込みとして、「肉形石」が形そっくりの豚肉角煮そのもので提供されます。超おススメです。一方、北京の故宮博物院は、20世紀末はかなり素気ない感じでしたが、現在はネットで観る限り、高級志向のグッズばかりが並んでいます。さらにネット情報ではありますが、新規開館した大エジプト博物館のショップは、ルーブル美術館レベルとのこと。とにかくエジプトグッズというのはミュージアムグッズの一大勢力です。
 個人的に印象に残っているのは、イギリスのキューガーデンのミュージアムショップです。植物関係の書籍やガーデニンググッズが豊富にあり、様々なオリジナルグッズやらお菓子もあり、英国土産の購入にも最適です。屋外ではさまざまな植物までも販売されていて、ちょっとしたホームセンター状態となっていて、とにかくこうした施設で、ここまでものを売るんだと当時(四半世紀前ですが)驚いたことがあります。
 今はミュージアムショップのネット通販が充実しており、持って帰る心配がいらず、特に重量物である図録などは重宝します。以前は、帰国便の重量超過対策として、重量物は手荷物に移し替えたりしたのですが、それでも追加料金をとられることもありました。


勝手に個人的に決めた世界三大ミュージアムグッズです。
異論反論は、恐らく山ほどあろうとは思いますが。

◇ミャクミャクグッズの話
 切手と言えば、あの「ミャクミャク」(寄附金付)の切手が発売されていたので、いろんな意味で今のうち入手すべきかと思い、2シートほど購入いたしました。そこで思ったのですが、万が一のとき、寄附金というのはどうなるのでしょう。即座に、万にひとつもない、とは言われそうですが。
 「EXPO2025大坂関西万博」はさすがに長期間のイベントだけのことはあって公式グッズも豊富です。オフィシャルページには既に500を超えるミャクミャクグッズがあり、およそ人の考えつく限りのアイテムが並んでいます。缶入りお菓子とか傘とか、アクリルスタンドとか絵馬(!)とか、開催前に売れきれている商品もありました。
 変わり種としては、スポーツ用品メーカー製のミャクミャク型メディシンボールとかミャクミャク型ボルレッチ(ダンベル)とかもあり、その商品展開に驚くばかりです。ただし、その多くが外国製なのですが、法被(はっぴ)などはさすがに日本製です。アパレルではTシャツなどの他に、結構な種類の靴下がありました。それをみて思いついたのですが、当館でハイソックスを販売してはどうかと。臑のあたりに「最上義光」と印字したものを、「新しい戦国武将の・・・」という宣伝文句とともに出してみてはどうかと。恐らく、タダではすまない、やっぱり。


2021/05/22 13:00 (C) 最上義光歴史館