最上義光歴史館/館長裏日記 令和7年1月30日付け
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最上義光歴史館
〒990-0046
山形県山形市大手町1-53
tel 023-625-7101
fax 023-625-7102
(
山形市文化振興事業団
)
館長裏日記 令和7年1月30日付け
〇 自然史博物館と科学技術博物館の話
博覧会と博物館との関係で言えば、科学技術博物館も19世紀に始まった(万国)博覧会に起源をもつそうです。「19世紀は蒸気機関や電気の発明品など、さまざまな新しい技術が出てきた時代で、それらを展示した博覧会を恒久的な施設にしたのが起源だと考えられます」と一橋大学の有賀暢迪准教授は語っています。
一方、博物学というものがあり、これは英語でNatural history、直訳的に「自然史」とも言われます。それは動物界・植物界・鉱物界という自然三界の全ての種についての目録を作り、自然界に存在するもの全てを収集・分類する試みです。これが東洋では本草学として、伝統中国医学の医薬(漢方薬)や不死の霊薬(仙丹)の原材料の研究として発達したそうです。こうしたことを扱うのが自然史博物館で、やはり科学技術博物館とは異なります。
20世紀に入ると新しい種類の科学博物館、英語で「サイエンスセンター」と呼ばれるものが登場します。その特徴は、伝統的な博物館の基本機能である「収集・保存」を重視していないことにあり、観客が触って体感できるハンズオン展示や体験型の展示を取り入れ、体験を通じて原理や概念を理解するものです。
自然史博物館の人気展示はやはり恐竜で、あと、マニアには昆虫や鉱石といったものも見逃せません。パリやロンドン、ベルリン、ニューヨークなどにある自然史博物館は観光にもおすすめです。一方、科学技術博物館で展示物で圧巻なのは、飛行機やヘリコプター、宇宙船といったものでしょう。飛行機や潜水艦などは、各国の戦争博物館、日本では自衛隊の広報館などでも見ることができます。あと、マニアも多いのが鉄道です。
しかしながら、上野にある国立科学博物館は、自然史博物館と科学技術博物館が一緒になっていて、結局、何でもありの総合科学館というような施設となっています。
ちょっとユニークなものとしては、ミラノの国立レオナルド・ダ・ヴィンチ科学技術博物館には、ダ・ヴィンチが設計した発明品の模型がずらりと並んでいます。ここにはまた、無線通信を発明したマルコーニにちなみ、数多くの無線機が展示してあります。日本では、公立施設での無線機の収集展示は意外に少ないです。
余談ですが、福島市では最近になってなぜか「UFOふれあい館」を推し始めました。平成4年に開館しており、日本博物館協会の名簿にはないものの、UFOに関連する3000点もの資料がある博物館的な施設です。資料展示のほか、3Dバーチャルシアターや入場料込みで入れる展望風呂があり、UFOの目撃例の多い千貫森からの眺めが楽しめるとのこと。宇宙人コンテストというのもやっていて、「ふれあい館」という名称からすれば、それは体験型施設でもあるのかも。あの「ム〇」好きの当事業団のA学芸員は、20年近く前に訪れているとのことで、「本当にあそこは目撃情報が多いんだ」と言っていました。ところで、「UFOと宇宙人」というテーマは、自然史系と科学技術系のどちらで扱う領域なのでしょうか。まさか民俗学。
〇 チルドレンズミュージアムの話
一方、体験型の「サイエンスセンター」についてですが、これがまた子ども向けとなると、大型児童館などとごっちゃになることがあり、まあ、それでもいいかと思うこともあります。その施設の目的が、学習施設なのか児童厚生施設なのかという違いなのですが、ユーザーが同じなので区別するのもどうかと思うわけで、しかしながら、補助金や管理体制などが関係すると、それは大きな問題にはなります。
さて、アメリカ各地にはチルドレンズミュージアムという「ハンズ・オン」(Hands on、触って体験して学ぶ)型の子ども博物館が各所にあり、サイエンスセンター的な展示とともに大型の体験遊具設備があります。20世紀末頃の話ですが、山形でもこうした施設をつくろうとしていたことがあり、当時その調査を担当していました。
コンサルさんとともに国内の子ども科学館などを何か所か視察しました。シミュレータや恐竜ロボットなど、最新の展示物が目を引くわけですが、施設運営において課題となるのが陳腐化とメンテナンスで、施設を開設して20年くらい経過したものも見ておいた方がよいとのアドバイスをいただきました。そういう施設を巡ると、映像が古いなどという程度ならまだしも、ハンズ・オンでは「調整中」と張り紙がされた展示も少なくなく、そうしたものを適宜更新できる予算がなければ、やがてはお荷物のような施設となってしまいます。ハンズ・オン型の展示物は、理想的には5年、最低でも10年で更新したいところです。それができない場合はそのまま、いっそレトロ館でやっていくという手もありかと。「昔の科学館」とか、「懐かしの科学館」とか。
それでチルドレンズミュージアムとはどんなものかと、コンサルさんに教えてもらったボストンの施設を、単独自腹で見に行ったことがあります。しかし、職員にインタビューできる英語力もなく、日本語ガイドを頼めるわけでもなく、ただただ施設内をうろついて終わってしまいました。そのうち、山形につくろうとした施設計画も立ち消えになり、それは単純に説の必要性が認められず、財政的にも厳しかったからなのですが、そのとき浮かんできたのが「ほいど馬をかう」という言葉でした。これは山形の言い方で、「乞食が馬を買う」ということわざのことで、身分不相応なものを手に入れてもてあますさまを言い、始末に困ることのたとえです。
山形のチルドレンズミュージアムは、メンテナンスのことまで考えると、まさにこうなりかねず、特に公設の場合は、建設までは金を都合するけど、その後の予算は全くつかないというのが常です。まして、その後の計画的なリニューアルという発想にもとても及ばず、今どきはクラウドファンデングに頼ることにもなりかねません。
当時、コンサルさんとともに訪問した施設に「霊山子どもの村」という所があります。もともとは巨大アスレチック施設からはじまっており、屋外には地形を活かした大型遊具があります。屋内施設としては日本初の参加体験型チルドレンズミュージアム「遊びと学びのミュージアム」を整備し、デザイン性の高いハンズ・オンの展示物とともに自由な環境の図書室が設けられており、大変印象深い施設でした。その後、運営においていろいろあったようでしたが、霊山町が合併により伊達市となりしっかりリニューアルして、現在も手本とすべき魅力的な施設になっています。(なお、冬期間はお休みです)
〇 チルドレンズミュージアムを計画した話
当時関わったチルドレンズミュージアムの計画について少々。20世紀末当時、子どものための施設というと、テーマパークのようなもの、つまりあの「夢と魔法の国」というようなイメージで、民間のみならず自治体でも手掛け、その後、赤字を出し廃園という例もあったのですが、もっともそういうものは、山形では作れるわけもなく、しかしながら利用者の目は肥える一方で、子どものための施設といっても、どうにも焦点を絞りきれない感じでした。内外の意見をきいても、プラネタリウムをどうするとか、シミュレータもほしいとか、縄文時代の住居を再現してはとか、個々の展示の要望はあるものの、全体像としては描ききれませんでした。
それでも次第に見えてきたのは、テーマパークでもなく大型遊具中心の児童館でもない、ハンズ・オンを基本とした子どもが楽しめる博物館、つまりは、チルドレンズミュージアムです。その具体化にむけてコンサルさんにまとめてもらい、結果、科学を学ぶゾーンと社会生活を学ぶゾーンを設けるという基本計画となりました。
科学ゾーンは、イームズ夫妻の「パワーズ・オブ・テン」にならって、大きさ順の展示とし、社会生活ゾーンは、「子どものまち」として、子どもサイズの街並みをつくり、ごっこ遊びなど体験をしながら物事を学ぶというものです。
「パワーズ・オブ・テン」とは、1977年に製作された10分足らずの教育映画で、10のべき乗で物を見せていくことで、大きさ比較するもので、その書籍も出版されています。そのオリジナル短縮版を作りオリエンテーションに用い、展示で具体化するというものです。最大のスケールは宇宙の果てであり、それは宇宙誕生のことでもあり、それはまた素粒子の発生ともなるため、最大のサイズが最小数のサイズにつながるという、蛇が自分の尾を咥えるウロボロスの輪のような、環状の動線による展示ができるということです。
そこで難しいのは、人間の五感(場合によっては第六感も?)を展示構成上どう位置付けていけばよいかということで、科学館によっては、光、音、情報といった括りにしているところもあり、あるいは博物学の界とか理科年表の区分やら宇宙年齢や地球年齢の順という体系化もあり、大きさだけによる体系化が正解というわけでもないのですが、感覚的に扱いやすいのは大きさかと。
一方、「子どものまち」とは、あのキッザニアのようなものと言えば分かりやすいと思います。街中の店舗などから社会を学ぶ、花屋では花の名前を覚え、テレビ局では番組制作、書店であれば本当に本の売り買いがあってもいいし、画廊であれば子どもたちの作品を飾れます。また、駅を作れば電車の実物展示ができるし、自動車の整備工場なら車の構造が学べます。
某キッザニアには、「総合商社」とか「ケアサポートセンター」まであります。「警察」や「消防」もありますが、「市役所」はありません。親にとっては人気の職業らしいのですが、子どもにとってはどんな仕事なのかわからず、お役所仕事という言い方はありますが、それではやっぱりわからないわけで。あと、「歯医者」はあっても「医者」はないようで、やはり「お医者さんゴッコ」とかは、なにかと問題があるのかと。あとは「葬儀屋」もありません。「お葬式ゴッコ」というのも、やはり問題があるのかと。「神社仏閣」や「教会」なども社会生活的には重要ですが、公的施設でこれを取り込もうとすると難しい。結婚式とか運試しとか肝試しとか、いろいろな遊びができるのですが。一方、某キッザニアには「アニメスタジオ」とか「アフレコスタジオ」などがあります。子どもにとってはあこがれでしょうが、山形にはいずれもない商売でして。まあ、あこがれはあこがれとして、都会にはそういう商売もあるということで。
なお、その空間構成としては、道路(通路)が回遊型つまり環状の動線となっています。バックヤードを含めた空間効率からすれば、やはりこの形が合理的なのでしょう。
〇 プラネタリウムの話
続いて、科学館には欠かせないプラネタリウムのお話でも。プラネタリウムでは寝なかったことがない私ではありますが、最近は、寝るための上映会というのもあり、時代のほうが進んでいるようです。
さて、子ども科学館の計画においては、プラネタリウムはどうするのかという話が当然でてきました。日本一のプラネタリウムは、という話も出たのですが、当然、そんな覚悟もなかつたわけですが、とにかく当時は、その大きさを競っていたところがありました。ドームだけならそれこそ野球場程度のものまで作れるわけですが、このプラネタリウムの大きさを決めているものは、実はその光源の強さです。ドームばかりが大きくても、星が暗い、ぼやけて見えない、というのでは観ていても疲れたり眠くなったりします。
ところがその後、技術的なブレークスルーが起きます。メガスターです。それまでは、事実上、某光学機器メーカー2社がほぼ独占していたのですが、そこにメガスターは、桁違いの星の数で勝負してきました。それまで、せいぜい数万個しか投影できなかったものを「メガ」すなわち100万個以上投影できるようにしたのです。どのくらい違うのかというと、それまで光の帯として投影していた「天の川」が、ひとつひとつの星として投影できるのです。最近はこのメーカーの機材を導入している館も多く、ドーム球場の大きさでも投影でき、星の数も7億以上の恒星が投影できるとして、横浜の子ども宇宙科学館のものが2023年2月8日にギネス世界記録に登録されています。以前は、四日市市の施設がギネス認定を受けていました。ちなみにドームの大きさでは、名古屋市科学館が、内径35mで認定をうけています。まあ、俺の方がデカいとか、私の方がキラキラしているとか、そういう話にはなりがちなのですが。
当時はまた、海外製品でデジタルプロジェクターも登場してはいたのですが、光量は小さく、星も少なく、小規模のドームにしか使えませんでした。しかし今や、デジタルプロジェクターも進化し、投影機材もさることながら、そのシステムは宇宙空間のデータをもつPCと映像を作り出すPCとで構成され、さまざまな操作演出ができます。その投影方法も、1台のプロジェクターで投影するタイプの他、複数のプロジェクターを用いるタイプもあり、最近は自発光するLED素子をドーム全面に敷きつめるドーム自体がLEDモニターのようなものもあるそうです。
ただ、プロジェクターの自由度が高くなると、映画館的なプログラムでもよいのではとなり、そうなると、専門に操作する人も不要となります。ただし課題となるのは、その製作は外注となり、どのようなものを何本用意できるか体力勝負、つまりは金次第になることです。プラネタリウムはかつて、操作する人がその場で自在に動かし、解説していました。つまりは監督と弁士を一人でやるわけです。それだけ自由なプログラムが可能だったのですが、単なる上映館になってしまうと、人任せ、金任せとなってしまいます。
また、そんな映画館的な仕掛けでいいのであれば、個人的にはあの〇MAXでもいいのではとも思います。原理的には大画面の映画館ですが、ベストポジションで観ると、そのリアリティというか没入感というのはすごくて、平面映像なのに立体的に感じられるほどです。ただ、全てが専用機材によるものなので、その映像作成費用なりシステム費用なりはお安くはなく、やはり予算勝負的な課題は残ります。
その他、大きさとか精細度などではないところで勝負する方法もあります。某宇宙館なのですが、そこの映像室は上部だけでなく床面にも投影がなされていて、観客は空中デッキのようなところに立って観るというものです。これも没入感がすごくて、さほど大きなスペースも要らず、技術的にさほど特殊ということでもなく、いい意味でやられた感がありました。
さてさて、知ったかぶりしてプラネタリウムの話を続けてきましたが、山形市内には常時上映しているプラネタリウムは未だになく、市の少年自然の家にある五藤光学社製のGX-10のT型(回転架台付)という半世紀以上前の昭和47年(1972)に開発された恒星6,500個規模の機材による上映会が、年に2回程度あるのみです。宇宙空間の体験というよりタイムスリップ的な体験ができそうです。
〇 新型シアターの話
このプラネタリウムとともに課題になったのがシミュレータでして、あの「夢と魔法の国」にある座席がガクガクと動く宇宙船のようなものを、という要望もあったのですが、とにかくそれが当時の最先端をいく展示物でした。シミュレータというのも出来不出来が極端で、そのポイントとなるのは映像と座席の動きがしっかりシンクロしているかどうか、ということです。これがズレていると、気持ち悪いアトラクションになってしまうそうです。後年、とあるシミュレータが山形市近郊の遊園地にも登場したのですが、光量不足で画面が暗く、チープなCGにガタガタと動くだけの座席で、案の定、妙な疲れだけが残るものでした。
そして、今話題なのが、チームラボなどに代表されるインタラクティブな映像展示です。先日オープンの新しい施設がテレビで紹介されていまして、中でも、星の一生を体を動かすことにより再現するというものが、科学館的にも面白いと思いました。宇宙塵から星が形成され、白色矮星になってブラックホールになるという過程を、トランポリンを飛ぶことで変化させていくもので、自分が跳ねている場所にその状況が映し出されるのですが、星の一生という題材もさることながらトランポリンで跳ねることをインターフェイスとしたところが秀逸なわけです。
チームラボはこれまでも、人の動きをセンサ−で捉え、画像に反映していくインタラクティブなものを基本にしていたのですが、それをこのように学習的に、しかも新しい動作を用いて発展させたわけです。実はこれにも、出来の悪いものというのがあり、反応がにぶいとか、タイムラグが大きいとか、途中で止まってしまうとか、いずれもフラストレーションが募るものになります。これをまねて作っているものの、試験的というか、しょぼいものも見かけます。最近、いくつかの館で導入されているゴーグルタイプの3Dについても同じような課題があるかと思います。動作と画像のズレもさることながら、空間表現それ自体がよくわからない場合もあります。作り込みの問題というか、本当に玉石混交です。
さて、ここまで科学館のシアターについて簡単に述べてきたのですが、科学館のシアターとしては、今どき大画面とか仮想体験などは、個人レベルで高水準のものが得られてしまうわけで、これでは得られない体験、それは他者との体験の共有であったり、家庭用TVを超えたハード機能、ネットでは得られないソフト機能などが提供できるか否かということがカギになります。あの「夢と魔法の国」では、それが提供できているということなのでしょう。もちろん演出やデザインに負うところも大きいのですが。また、別の解ではあるのですが、あの映画「ジュラシックパーク」のオリエンテーションのシーンに登場するライド型のシステムも映画とは言えよくできています。
そこで提案したいのは、滞在時間が3分程度であれば立席で、5m四方程度のホワイトキューブでいいのではと。それが全面発光LEDだったり、空中回廊型であれば、影の心配もないと思うわけです。さらに欲を言えば、その箱が2つ以上あれば、別プログラムや時間差での上映、メンテナンスで交互使用などの対応ができるかと。
あとは、それで何を上映するのかということですが、ちなみに例の子どもむけの科学館の計画では、「パワーズ・オブ・テン」の短縮版をオリエンテーションとして、そのシアターを展示室の手前に設け、そこから展示空間に入るような計画にしました。これは、歴史館などでも応用ができるものですが、そこで問題なのは、金がないということでして。(なんかクレイジー・ケン・バンドにそんな歌があります)
〇 「月の塔」の話
今年の大阪・関西万博の期間中、万博記念公園に「月の塔」を「太陽の塔」と並んで見える形で設置するプロジェクトが進められています。2022年に香川県・小豆島エンジェルロード沿いのホテル前に建立された「ムーンタワー(月の塔)」という作品を移設するものです。高さは全長7.5メートあり、直径2.5メートルの1,020面の球体を抱き、球体は廃棄されたペットボトルで作られ、夜間、LED照明により赤、青などの光を放ちます。その電力は太陽光により蓄電したものです。
作者の長坂真護(まご)さんは、2017年に「世界最大級の電子機器の墓場」と言われるガーナのスラム街を訪れ、先進国が捨てた電子機器を燃やすことで生計を立てる人々と出会いました。そこでアートの力を使って「我々先進国の豊かな生活は、このスラム街の人々の犠牲のもとに成り立っているという真実」を先進国に伝えることを決意したそうです。
「月」は、長坂さんが平和をもたらすイメージとして描いてきたモチーフであり、太陽から照らされ輝きます。太陽と月とは、「陽」と「陰」との関係。太陽の塔はエネルギッシュな1970年当時を象徴し、現代は発展の影響で生まれた社会課題と格闘するリフレクション(反射)の時代と捉えています。
ちなみに、1970年の万博のテーマは「人類の進歩と調和」、これは当時、小学生だった私の頭にも入ってきた言葉で、その前年に持ち帰って展示した「月の石」とセットで覚えているものです。当時はとにかく、月着陸船や司令船のプラモデルを作ってもらっては壊してしまった記憶があります。
ところが今年開催される万博のテーマは何かというと出てきません。答えは「いのち輝く未来社会のデザイン」。申し訳ないのですが、少なくても山形の大半の人は答えられないかもしれません。ただ、「赤字回避」については、そのテーマが霞むくらいがんばっていることは承知しています。
それにしても信じられない種類の「ミャクミャクグッズ」が販売されていて、山形県長井市で作られる本格的な「けん玉」もあります。ネットの記事には、すでに開幕前から「SOLD OUT」の商品もあり、希望小売価格の数%が協会へのロイヤルティー収入になるそうですが、その利幅は薄いとのこと。その記事の見出しには「大阪万博の赤字回避は薄利多売な『ぬいぐるみ・お菓子』頼み」とありました。つまり、当面のテーマは「赤字を回避 薄利多売のデザイン」ということらしく、なんとなく商都大阪らしいと言うか、いや、失礼いたしました。
2022/01/30 09:00 (C)
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