▼館長日誌 令和8年3月10日付け
いつのまにやら卒業シーズンです。歌番組などでは、卒業とあわせ桜を歌い込んだ歌が流れたりするのですが、3月中旬の山形は、桜どころか梅すらまだという感じで、卒業と桜とは感覚的にどうも結びつかず、どちらかというと雪を気にしなければならない感じでして、実際、桃の節句にも雪が降りました。
さて、「卒業」の歌というと、私の世代的には尾崎豊さんぐらいしか思い浮かばないわけでして、「夜の校舎 窓ガラス壊してまわった」というのは、かつて山形の中学校でも(それは私の母校でも。卒業して数年後でしたが。)発生していました。これが高校となると、進学やら就職やらのこともあり、窓ガラスを壊してまわるような余力もないようで、たまに聞くのが、自分の車で卒業式に現れた、という話くらいです。盗んだバイクで走り出すのは「15の夜」でして、高校卒業時は通常、自車や愛車であります。
さて、坂道界隈などアイドルの方々は、独立するとき「卒業」と表現されるわけですが、尾崎豊さんの歌からすれば、「この支配からの卒業」とも、「戦いから卒業」ともしれず、いずれにせよ言い得て妙です。ちなみに、かつてアイドルであった斉藤由貴さんのヒット曲「卒業」はデビュー曲です。デビューで卒業、ということで、別に深い意味はないのですが、なんかすみません。
ところで最近驚くのが、大学の卒業式に親も参観するという話で、場合によっては謝恩会にも同席するとのことで、親子で服装はどうしようなどと心配されるようなことも。自分と言えばその時期、山形の自動車学校に通うだけで忙しく、卒業式にも行かず、つまりどんなものかもわからず、まして謝恩会などは別次元の話で。当時、入学式もない大学だったので、そういうものがなくても、なるようになるというか、まあ、こんなふうになるわけです。
あと、小中学校の卒業時には、卒業文集とか寄せ書きとかがありますが、そこに「座右の銘」のようなものを書くことがあります。ありそうなのは「為せば成る」(by上杉鷹山)とか、「努力は必ず報われる」(by王貞治)とかでしょうか。一方で「この世に客に來たと思へば何の苦もなし」(by伊達政宗)とか、「メークドラマ」(by長嶋茂雄)とか書く人はそんなにいないような気がします。まして「是非に及ばず」(by織田信長)などと書いたりすれば、何が言いたいのか訳が分からないわけで。
ちなみに私の場合、中学生なりに「ことわざ辞典」などを懸命に読み、見つけたのが「お天道様と米の飯は、いつの世もついてまわる」という言葉でしたが、まさか猛暑で米不作になるとは思いもよらず、世の中はそんなに甘くなかったようで。
そこで最上義光に格言や名言となるものはないかと探してみましたが、意外に少なく、例えば「大将と士卒は扇子にたとえたり、要は主人、ほねは物頭、地紙は惣勢也」というものがあり、続けて「何れか不足にて勝利有べき、夫故我士卒をおもふ事一子のごとく」と続きます。もののたとえとしては分かりやすいですが、中身が組織論ということで、どうも格言にはならないかと。格言ではなく連歌であれば結構な数があるのですが、連歌で格言的なものとなるとこれもやはり難しいわけで。ということで、せっかくではありますので、今時分の季節の句のご紹介でも。
「梅さきて匂い外なる四方もなし 義光 」
ただし、この句は単に梅花香るのどかな情景を詠んだわけではなく、実は戦勝祈願の句とのことで、どこをどう読み取ればそうなるかは、当館ホームページに掲載の「新・最上義光連歌の世界@」(生田慶穂 山形大学准教授)をご覧願います。
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